既に競合する薬局が居並ぶ通りに、新しく出店する調剤薬局のインテリアデザインです。クライアントからは、薬局というと、張り紙などが雑然と貼ってあり、ゴチャゴチャしたイメージがあるが、今回のインテリアは落ち着きのあるホテルのような雰囲気にしたいという要望がありました。また、単にインテリアだけを考えるのではなく、競合する他の薬局とは一線を画すファサードデザインも求められました。
3連のボールト天井が特徴的なデザイン要素となります。空間に極力閉塞感をつくらないように天井を高くすることと、既存の梁をよけることを調停した形です。調剤薬局としては広い空間を、ボールト天井を3連とすることで、受付と患者のための待合スペースを緩やかに分節しています。ボールト天井による囲まれ感によって、何らかの不安を抱えて調剤を待っている患者の皆さんにとって、少しでも居心地良く、リラックスした雰囲気を感じることができるようにと計画しました。
また、中央にあるガラスの間仕切りによって、大きく前後2つのゾーン、接客ゾーンと調剤ゾーンに明確に分けています。ガラス間仕切はスチールのフラットバーによるフレームによりシャープな印象としています。
フロントサッシも取り換えており、ガラスのレイヤを通して、この3連のボールトの形が通りに表れてきます。特徴的な形は街行く人の目の留まるものとなり、同じ通りに面する他の調剤薬局と差別化を図っています。
所在地 東京都
照明デザイン LIGHTDESIGN
グラフィックデザイン MOMENT
竣工年 2015
撮影 太田拓実
雑誌掲載
商店建築 2016年6月号
AIT(ドイツ誌) 2016年1/2月号
This interior design project of a dispensing pharmacy faces a street on which competing pharmacies are located. In order to distinguish itself from the rest, the client requested a unique interior and façade.
The space is formed by mainly two elements: glass partitions and three vaulted ceilings.The glass partitions in the middle of the pharmacy separate the space into two parts, front and back, the customers’ zone and the pharmacists’ zone, respectively. The three vaulted shapes gently designate reception and waiting spaces for patients, as well as create a cozy and relaxed atmosphere for patients who may feel anxious while waiting.
The glass partitions and three vaults, which are all visible from the outside, differentiate this pharmacy from the others on the street.
Location Tokyo, Japan
Lighting Designer LIGHTDESIGN
Graphic Designer MOMENT
Completion Year 2015
Photographs Takumi Ota